パズルの合間に介護しようか

(2025/08/27)

※本文章はnoteとのマルチポストです。お好きな方でお読みください。


 タイトル悩みましたな。これが「介護の合間にパズル」だと普通過ぎて読まれなさそうな気がするし。かといってこっちだと軽過ぎるのも否めない・・・・二転三転して結局こうなりました。だからなんだよ知ったこっちゃねぇよという話ではあります。

これまでと今のわたくし

 元々そこまでパズルに肩入れする人種ではなかったと思います。各種ペンシルパズルを取り扱うパズル雑誌ニコリの存在は知っていて、2年か3年に一度のペースで、たまたま書店で見かければ買っていた程度です。その買った雑誌掲載の問題も、半分以上は私には難しすぎて、そのまま放置、何年か経ってから廃品回収へ・・・の流れを十年単位で繰り返してきました。

 唯一の例外があるとすればスリザーリンクの存在でして。ルール的に性に合っていたというのもあるのかもしれません。同じく思いついたように本を買い足しては、手持ち無沙汰な時に鉛筆を走らせる・・・というのは長年やっていました。ただしそこまで技術も速度も求めてはいなかったので、実力的には(ニコリ基準で)中級者程度。あくまでライトユーザーの範疇には収まっていたと思います。

 というのが2025年春までの私。

 良くも悪くも転機になったのが介護でしたね。詳細の記述は控えさせていただきますが、本業の続行がどう足掻いても不可能になりまして。介護休業の国が定める90日間(+ちょっとだけ残っていた有給)を使い切った後に介護離職ということになりました。

 こんな有様ですから外に遊びに行くこともできませんし、そもそも収入が無くなったので遊び金というものがありません。さてどうしたものかねと。なんか安くて適当な手慰みになるものは・・・と部屋の本棚を眺めてみたところ、上記にて途中やりかけのスリザーリンク本を発見。

 確かにこれの続き進めてもいいのですが、これだけやっていても流石に飽きるよなぁとしばし思案にふけた後、こうなりました。

 金欠どこいった>俺。とはいえこれ全部足しても4,235円(税込)。んでもってこれ全部解くのに(私程度の実力で)何ヶ月あるいは何年かかるのよ?を考えれば世間様言うところのコスパは決して悪くないのではないかと。

 2025/08時点でという但し書きがつくとはいえ、今のところこの手あたり次第ってのがうまく回っています。具体的にはスリザーリンク→数独→カックロ→スリザーリンク・・・と飽きたり詰まったりしたら即座にぐるぐる回してローテーションさせています。数独で詰まって他所に行ったとしても、数独に戻ってきた時には詰まっていたこと自体を忘れていますので(威張る話ではない)、ネガティブイメージなしに続きができる・・・ということなのかもしれません。あくまで個人感。

パズルが人を救う、かも

 さてそんな前フリを経てここからが本題なのですが。「介護離職 10万人」でググれば吐き気がする数の記事がヒットすることからも、私のような立場に追い込まれている方々が相当数に上るであろうこと容易に想像ができます。収入も消えた、今までの趣味もできなくなった。このまま老親と共倒れするまでカウントダウンか。あるいはいっそ殺ってしまって余生は刑務所で・・・。

 STOP STOP ちょっと待って!!!!と。視界が狭くなってネガティブ思考でぐるぐる回って極端な結論に走ってしまう気持ちはわかります。私もそうなります。だからこそ黒思想で脳のデフォルトモードネットワークを占有してしまう前に、自分で思考を止めるってことがものすごく重要になります。とはいうものの、実際に考えるのを止めるってものすごく難しい。シロクマ効果、でしたっけ?詳細はぐぐってください(手抜き)。

 その上で「パズル」、特に紙と鉛筆で進める「ペンシルパズル」の存在って、介護当事者にとっては運命づけられたカップルが如く相性がいいのよってのを(独断特盛で)推し進めたい。そんな(独善的)動機からこうやって文章書いています。世間一般的な評価は知りません。もしこれ読んでいる貴方が該当者なら、まずは貴方から救われてくれという話です。

 というわけでこの時点でさっそくAmazonに飛んでもらってニコリ本ポチってもらってもいいのですが・・・些細ながらも説得力を増すために、あるいは己の自己防衛のために、パズルが相性いい理由を羅列しておきます。ざっと箇条書きするとこんな感じ。

 なんか途端に胡散臭いというか、どこぞのAI生成みたいな並びになったな。安心してください自力です。お金がないのでサブスク代が払えません。えへん。威張るな。んでは項目毎に深掘りを。

集中没頭することで思考を停止できる

 そもそもの話ではあるのですが、人間の脳ってのはそう簡単にマルチタスクできるものではございません。シングルタスクが当たり前の性能なのです。やたらとマルチタスクを強要する今のビジネス基準の方がトチ狂っているのです、という暴論をまずはぶつけておいた上で。

 であればだ。介護やら将来やらで頭ぐるぐる目一杯になっている脳味噌さんには無理矢理にでもパズルの問題考えていただいて、一旦介護も将来も立ち止まってもらいましょうよ。という至極単純なお話です。

 ていうかこれは主観100%なのですが、自分が解き慣れているはずのスリザーリンクですら、別のこと考えながら鉛筆走らせるのは絶対に無理です。速攻間違えてハタンが目に見えてます。ましてやルールもテクニックもうろ覚えな問題ともなれば、強制的にでもその問題のことしか考えられなくなるのですなと。この習性を是非とも利用しましょうよ、という企み。

 ぱっと思い浮かぶ反論。

 「あれ?それだけだったら別にパズルにこだわらなくてもよくね?」

 てのはご尤もです。推しの動画眺めて同じことができるのであれば全く問題はございません。ただしこれも環境変化で長時間視聴できないとかありえますし、親がいる真横でその動画開けますか的なおはなしも。あとはこの文章自体がパズルを薦めるという建前の元に構成されていますので、ここは「選択肢を増やすため」ということで手打ちとさせていただければ幸いです。推しは複数あってもいいのですよね?余計なことを書くな。

 もうひとつ思い浮かぶ留意事項として。

 「でもパズルって難しいのでしょう?難し過ぎたら集中する前に投げちゃうよ」

 というのも至極ご尤も。こっちの方が切実かも。どのパズルを選ぶのか、どの難易度にするかによっても大きく変わってくるかと思います。という訳でまずは一旦読み手の皆さんがそれぞれ思い浮かぶパズルのイメージで読み替えながらお読みください。末尾におまけ追記しておきます。本筋に戻ります。

中断再開自由自在

 んでもってこれこそがペンシルパズル、言い方替えれば「紙のパズル」を推す最大の理由になるのかもしれません。当該の皆さんなら頷いてくれると思うのですが、昼夜を問わず頻繁に「介助のための中断」てのが発生します。元を正せば私が仕事できなくなった根本理由もこれです。それ位に頻発します。仕事ができないのですから、ましてや時間をかけた趣味ごとなんぞできる訳がないという現実も実在してしまうのです。もう宿命として受け入れるしかないと。そのこと自体がストレスとなりネガティブ思考の起点になってしまいます。

 本棚に刺さっていたスリザーリンク本を見つけたのがそんな状況真っ盛りの時だったものですから。「あれ?もしかしてこれ・・・」と試してみたらドストライクで欲求満たしたのですよねと。それくらい現状打破の道具としてハマりました。

 パズル解いている途中に呼びかけがあったとします。中断です。本閉じて鉛筆置いて向かいます。介助終わりました。鉛筆握ります本開きます。再開です。あとは繰り返し。いやぁ有難いことこの上なしです。他の遊び事ではこうは行きません。行けるのもあるのかもしれませんが、私は見つけられませんでした。あったら教えてください。

 ちなみに話はいつもの如く脱線しますが。

 「あれ?だったら仕事も同じように再開すればいいんじゃないの?」

 の疑問に対しては 「それは無理」 が回答です。これもマルチタスク絡む特性になるのですが。一度中断された仕事に戻る際には、「中断までに何をやっていたか」を思い出すだけのために相当時間(短くても数十分、長ければ数時間)を必要とします。この事実を無視したところで質もスピードも落ちますし、無理に続ければ壊れます。ていうか壊れました。

 なのでここはなぜ例外的にパズルだと中断が苦にならないのか、を考えた方が合理的かと思われます。となれば答えは簡単で。

 からということに尽きるかと。もちろんこれはデジタルでもできないことではないのですが・・・から次の話に繋げます。

無電源オフラインでもできる

 予めお断りしておきますとデジタル、特にスマホでパズル解くこと自体を否定する気は更々ありません。ていうか御本家ニコリがスマホアプリ出してるしな。ついでに言えば私、デジタルデトックス云々も幾分懐疑的なんですよね。問題はデジタルだからというよりは目に耳に入ってくる情報が刺激的すぎることだと思うので。となればデジタルもアナログも関係無くない?てのが私の思いです。その上での話なので「なにがなんでも紙で」というよりは「どっちかというと紙」くらいのユルいスタンスですよってことで。言い訳とも言いますすいません。

 今の状況に追い込まれてから、外部の方との連絡(電話)を受ける機会がやたらと増えました。病院福祉関係はもちろんのこと、行政からも確認が来ることありますし、あとは住宅改修に関わる業者さんとかもですかね。いろんな方々に支えられておりますありがとうございます。

 ただそうなるとですね。こんな副作用が出るのです。

 「スマホ持ってるだけで関係者さんから連絡が来るような気がする」

 上司に怯える新入社員かよ的な反応なのですが。これが案外バカにならん。こっちはパズルしたいだけなのにスマホ持ってると脳裏にチラつくのです。これを排除したいが故に紙=パズル本の方を重宝しているってのが理由の8割です。

 残り2割が表題相当ということになりますな。荷物にはなりますけど持ち歩きさえすればスマホの電源残量も電波の届き具合も関係ありませんから。病院の待合室でも、車の中でも、風呂見守りのドア前でもパズルは解けます。考えたくない話ですが災害にあって避難所で長期過ごすことになっても、おイタをして留置場ブチこまれても差し入れさえあれば・・・そこまでしてパズル解きたいのかという新たな疑問に関しては皆様に判断を委ねます(遁走)。

耳は空いている

 こちらは直球ドシンプルではあります。解いている間、頭と目と指は動いているのですが、耳に関しては案外と空いているというかヒマを持て余しています。そらそーだ。なので呼びかけや不意に大きな音(転倒疑い)があっても即座に中断できるのです。耳は空けておくに越したことはないぞという考え方にもなるのです。

 もしくは余裕があれば、大音量にならない範囲内でお気に入りの音楽を流すとか、特に目的もなくラジオ流しておくのも精神安定の為として大アリです。パズル解いている間は何聴いていたのか覚えてないとかしょっちゅうですけど問題なしです。多分。個人的には地元のラジオだだ流ししておくことで、家に篭りがちなことで芽生える孤立感を紛らわすのをお勧めしてはおきますが、本題ではないので軽く触れるのみで。んでは最後いきます。

なんだかんだでやってみれば面白い

 ここまでは割と理屈っぽい、あるいは屁理屈と言われてしまえば返す言葉がありません。ので最後は感情にも基づく形で。

 こういう状況だからこそ、面白がるってことを忘れないようにしないとキツいなぁというのが実感としてあります。パズル自体にその要素が詰まってるからお手軽摂取できるよね。例を挙げるとするならメインクエストそっちのけでサブクエストに熱中するような感じ、と言ったら伝わりますかね?そこムキになったところでリザルト変わらないのに、ついつい進めてしまう的な寄り道精神。それだけ1問解く度に「やってやったぞ」な征服感が味わえるが故なのかもしれません。もちろん自己満足勝手解釈ではあるのですが。そこを否定してしまうとそれこそ何も産み得ません。

 我々(と勝手に言ってしまいますが)が向かっているのは撤退戦です((c)親不孝介護)。どれだけ奮起しようが絶望しようが、最後に待っている結末は我々が想像できる結末=看取りです。そこに自らの人生まで巻き込んで終着点としてしまうのは虚し過ぎます。自分の人生ベクトルも引き続き進めましょう。目指すこと自体が難しくても一旦は立ち止まってみましょう。そのためのちょっとしたきっかけとして、パズルでもなんでもいいから試して遊んで、己の感情も修復していきましょう。

 まとまったかな。無理矢理かな。まぁいいや。こちら方面向け勧誘?としては以上になります。興味持っていただけましたら、お手軽に試していただければ幸いですってことで。お互い生き延びましょうー。えいえいおー。

おまけ:ではどこから始めます?

 という訳で恒例の蛇足をば。まずはおためしをということで。一口にパズルといってもその種類はかなり多岐に渡ってまして。自己解釈多めで恐縮ですが以下のタイプに分類できるかと思います。自己解釈すんません。

 論理系
 数独(ナンプレ)が突出して代表格。とにかくとことん理詰めでゴリ押し。

 言語系
 クロスワードやナンクロ、漢字系など。そもそも言葉を知らないと進めようがない一方で、知らない言葉を知れる楽しみも。

 美術系
 お絵かきロジック(ピクロス)、点つなぎなど。完成後の見栄え重視。

 どれが好みか(=長く愉しめるか)は本当に個人の個性に委ねられるかと思います。言い方変えれば、面白くねぇなぁとか思いながら延々続けたところで拷問にしかならんのです。なのでここは視野広げてさまざまなタイプのパズルをつまみ喰いしていただくことをお勧めしておきます。

 その上で、Amazonなどのネット通販を使う、あるいはお近くの書店でニコリ本の取り扱いがあるならば。

 論理系中心になりますが、いろんな種類のパズルがカタログ的に載ってますのでこちらをどうぞ。私にとってのスリザーリンクのように、それぞれのお気に入りが見つかればこれ幸いです。

 「あれ?だったら雑誌のニコリ本編でもよくない?」というのはありますが、それはネクストステップでいいのかなと。ニコリ本編はリピーター向けで総じて難易度高めだよなぁとは常々思うところではあります。もちろん雑誌特有のコラム読み物や新作パズルとかもあるので一概には決められませんが。まぁ要はそこいらはお好みで。お任せします。いつもの投げとも言います。

 お近くの書店で物色する場合は、言語系美術系のパズルも一通り揃ってるかと思いますので、パラパラ眺めて、最後は直感で数冊買ってください。論理系言語系美術系1冊ずつが理想推奨です。ただしこれもあくまでお気に入りを見つけることがメイン目的ですので。載ってる問題全部解くことには固執しないでください。合わないと思ったらとっとと次へ・・・・え?気がついたら脇目もふらずに続けちゃった?それは止めません。Welcomeこちら側へ。何が。

 あともうひとつ重要なおはなしを。どのパズルでも「難易度」は常に頭に置いといてください。買ってはみたけど難しいなぁやーめた。これで私は10年単位でデビュー遅れました勿体無い。ただしこれも、最終的には個人の好みに寄ってしまうというのがありまして。

 といった具合で細かく分かれますので。ご自身で試しながら好みの難易度を探し当ててください。

 その意味合いにおいて大きく役立つと思われるのがストップウォッチです。スマホやPCの標準備え付けで構いませんし、秒単位タイムアタックにこだわる必要もありません。中断も入りますし。大雑把に分単位がわかれば充分です。ニコリも他社のも大抵は問題毎に想定時間が設定されてますので、実際に測って解いて、己の目安を把握しておくと「次のパズル本探し」が捗ります。ついでに解いた日付と所要時間書き込んでおけば後日見返した時に自己満足に浸れます。ん?

 最後にこれは一部方面の方のみになるとは思いますが・・・・・・老眼鏡作りましょ?小さい文字辛いよ?はい逃げるよーすたこらさっさー。〆が昭和。お粗末様でした。

参考文献

 文章書くにあたり考え方のベースとなりましたありがとうございます。

※ペンシルパズル(ペンパ)、数独、スリザーリンク、カックロは株式会社ニコリの登録商標です。
※お絵かきロジックは株式会社世界文化ホールディングスの登録商標です。
※他あるのかな?あったらごめん。


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